丸新製陶の技術をお伝えするブログ、今回で4回目になります。
前回までの3回に渡って、器などを形作る成型技術について紹介させていただきました。
今回は窯について紹介させて頂きます。
通常焼き物の世界で一般的な手順として、器などに成型した土を乾燥させたら、「素焼き」と呼ばれる工程に入ります。
800℃程度までの温度で焼成した土は、吸水性のあるいわゆる素焼きの焼き物になります。
この素焼きの工程を経ることで、生の土より硬くなり扱いやすくなります。
また吸水性があるので、液体状の釉薬の水分を吸って生地に釉薬を吸着させることにも繋がります。
左が素焼き前 右が素焼き後
丸新製陶では、素焼き窯と本焼成窯とありますが、基本的には同じ構造で「シャトル窯」と呼ばれる窯を使っております。燃料はガスになります。
「シャトルバス」のシャトルで、往復を意味する言葉が語源です。
つまり、窯の中に台車を入れて焼きあがったら出す、というものすごくシンプルな機構になります。
以前は「トンネル窯」といって、トンネル状の窯を24H稼働し続け、新しい台車を入れると、焼き上がった台車が出てくる、いわばロケット鉛筆のような機構の窯を使っておりました。
生産量に関わらず窯を稼働し続ける必要がある窯でしたので、大きい生産量がある場合などは大変便利に機能しておりましたが、時代のニーズに応えるべく少量多品種で臨機応変に対応できる体制を作ることを考え、2020年、小回りが効いて融通が効きやすい「シャトル窯」に変更することに大きく舵を切りました。
また本焼成をテーマにする回で改めて焼成と窯のことに触れたいと思います。
まだまだ導入したばかりの新しい窯で、皆様に喜んでいただけるものをどんどん作り続けていけたらと思います!