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2022.10.12

加飾方法のはなし②〜下絵銅版〜

丸新製陶の技術をお伝えするべくブログにて発信しております。
前回から加飾方法について取り上げさせて頂いております。

今回は「下絵銅版」と呼ばれる技法を紹介します。

そもそも焼き物の加飾技法には様々ありますが、代表的なものに
「下絵付け」と「上絵付け」があります。

何の下、上なのかと言いますと、「釉薬(ゆうやく:[うわぐすり]とも言います)」の下か上かの違いになります。
つまり、
・釉薬を施す前に絵を付けて、それから釉薬を施して焼成するか、
・釉薬を施し焼成した後(=完成品)に、絵を付けて再度焼成するか、
という工程や技法上の違いがあります。

丸新製陶では、筆で絵付けをする技術もありますが、今回は下絵銅版と呼ばれる技術について取り上げます。

下絵銅版とは元になる絵なりデータなりを銅版転写紙と呼ばれる特殊な紙に、下絵用の顔料を銅版印刷によって印刷し、その転写紙の絵を製品に貼り付けることで、同じ模様を複製する為の技法になります。


水で濡らした転写紙の絵を素焼き品に押し付けることで絵が付きます。
水量や力の加減で上手く貼れるかどうかが決まる作業です。

下絵銅版を貼った素焼き品に施釉して、本焼成したら完成です。

下絵銅版の最大の魅力は、絵が釉薬の下にあることで、釉薬の種類にもよりますが釉薬の色・艶の影響を受けることで、ほんのり滲んだりする下絵でしか表現できない質感にあると言えます。焼き物ならでは・下絵ならではの柔らかい雰囲気が出ます。
また釉薬の下に絵がありますので、剥がれるということがありません。

細かすぎる表現は再現が難しい技法にはなりますが、そこは素材と技術の特性を熟知して、表現に合った技法、技法に合った表現を提案していけたらと考えております。
再現できる色についても、彩度が高すぎる色などは苦手とする技法ですが、色んな色が出せますので、オリジナル品をお考えの方がいらっしゃいましたらご相談頂ければと思います。

次回は手作業による下絵について取り上げたいと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。