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2022.06.14

圧力鋳込み

丸新製陶の技術を皆様に知っていただきたく、このブログにて色々と技術を紹介していきます。

前回の「ガバ鋳込み」に続いて、今回もカップやお皿などの形を成形する技術について紹介させていただきます。
今回は「圧力鋳込み」です。

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ガバ鋳込みでは、泥状にした土(焼き物用語で、泥漿:でいしょう)を石膏に流し込むことで、石膏が泥状の土の水分を吸い土が固まり、急須やカップなどの形になることを説明させて頂きました。
圧力鋳込みも、この石膏が土の水分を吸うことで土を固まらせるという性質を利用している点で原理としては似た技法になります。

圧力鋳込みでは、ガバ鋳込みと違い、器の外側と内側の両面の型があります。(ガバ鋳込みは外側だけです)
それらの型を組み合わせると、作りたい器の形が空洞状に石膏型の中にできることになります。
そこに圧力鋳込みの名の通り、泥状の土を専用のポンプで圧力をかけて土を石膏型に流し込むことで成形します。
おそらく、金属やプラスチックの鋳込みなどとよく似たイメージだと想像します。
圧力をかけることで、土の粒子の密度が高くなり強度的にガバ鋳込みよりも強いものができます。

圧力鋳込みでは、同じ形状を幾つも同時に作る為に、その石膏型の中を流れる土の入口と出口を繋ぐようにして積み重ねることで生産性を上げ、同時に同じものを複数作る技法になります。

石膏が土の水分を吸って土が固まり、型から抜き出せるようになったら、順々に石膏から成形した土を取り外していきます。
積み上げた石膏型に順々に土を流しながら、土が固まった順に石膏型から取り外し、また順々に型を積み上げて再度土を流す、という一連の作業をしていくことで、途切れることなく作業が続けられ、1日にどんな形状をどれだけ作れるか、わかりやすく仕事のスピードと丁寧さの両立が求められる技術になります。

抜いた形状には割り面のバリがありますので、これを綺麗に仕上げれば成形の完成です。

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圧力鋳込みでも割型で抜ける形状でさえあれば、回転体に限らず、四角や三角、アシンメトリーな形、手作り風な形など多様な形が成形できることが大きな特徴の技法になります。
丸新製陶の商品の形状を見ていただくと、四角や楕円のお皿などがありますが、それらは圧力鋳込みで作られています。
テーブルコーディネートのアクセントに回転体でない形状があると楽しいと思いますが、それらは圧力鋳込みで作られている可能性が高いのではと思います。

トレンド感とオリジナリティーがあり、かつ使いやすい形状ってどんな形?という命題に向き合う日々ですが、圧力鋳込みは変化のある形を作れるという部分で一つ大きな武器と捉えております。

皆様のお気に入りの一枚はどんな形状でしょうか。改めて身の回りの食器の形状を見て頂くときっと圧力鋳込みのものが見つかると思います。