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丸新

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2022.06.08

ガバ鋳込み

この春から、丸新製陶のことをもっと発信するべく、ブログでまずは丸新の技術をお伝えしていこう!という目標を掲げております。
先日のブログで焼き物の工程を、ざざっと説明させていただきました。

今回から個別に色々と丸新製陶の技術を紹介していきます。
今回は成形に関わる技法「ガバ鋳込み」について説明させて下さい。

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土をカップやお皿など色んな形に成型する方法に、石膏型を用いた技法が存在します。
石膏型を使うことで同じ形のものが複数作れる、所謂、量産の技法になります。

通常、陶芸の技法と聞いて真っ先に思い浮かぶのは轆轤(ろくろ)というイメージがあるのではないかと思いますが、ロクロなどは回転体を作る技法になります。鋳込みの場合は、回転体に限らず、楕円や三角や四角や色んな形に作ることが可能です。

ロクロなどでは粘土を使いますが、鋳込み成形では粘土を泥状の土(焼き物用語で、泥漿:でいしょう)にして、それを石膏型に流し込み成形する方法になります。
石膏が泥の水分を吸うので、石膏に触れた泥は徐々に固まります。
時間が経って石膏に水分を吸われてない土を「ガバッ」と捨てると、固まった部分だけが残り、それがカップやお皿になります。
「ガバ鋳込み」と呼ばれる所以です。

 

ガバ鋳込みによって作られる形状は「袋もの」とも呼ばれ、石膏をパズルのように組み合わせ分割できるようにすることで、逆テーパーや複雑な形状も作ることが可能です。
急須やポットなどが、ガバ鋳込みによって作られていることが多いです。
割り面にバリが出るので、それを綺麗に仕上げます。

この泥状の土(泥漿)や石膏の扱いにおいて、季節や気温や様々な条件において一筋縄ではいかない、経験や知識を要求される技術になります。

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現在、このガバ鋳込みが生産できるところが減っており、大変希少な技術となっております。
普段何気なくお使いの陶磁器がどんな形状かご覧になると、ガバ鋳込みのものはかなり少ないのではないかと想像します。
丸新製陶では自社でこの技術を内製できるようすることで、他では作ることが難しい形状にもチャレンジすることができ、また技術の存続や継承に少しでも貢献できればという想いもあり、弊社にとっても特別な技術になります。

「百聞は一見に如かず」ですので、またの機会に工程を動画にまとめて説明できればと思います。

少しずつ色んな技法に触れながら、行きつ戻りつ、ブログを更新していきたいと思いますので、次回以降もどうぞよろしくお願いします。